フタを開けると香辛料の上品な花椒の香りがたちこめる。
江山如画。美しい風景だ。
小袋のラー油で赤いお化粧をしたスープに鶏団子、チンゲン菜、そしてニラ。
おや?この四角いのは何だろう?ポテトだ。
麺をスープから引き上げると花椒の香りをさらに漂わせ、
赤い宝石のようなチャイナドレスのスープを身にまとった麺が私を魅了する。
たまらず口に含むと麻で痺れ辛さで胸は高揚し、
細くしなやかな食感に魅了されるはまさに夢か幻のごとく。
麺があっという間に無くなった。
あぁ、傾国(麺)よ一体どこに行ってしまったんだ。
麻辣の快楽にやられ思考が止まった脳は香りを頼りに体はスープの畔へと。
麻で舌も脳も痺れているからなのか?
カップには牛脂の旨みと書いてあるがそれだけでこの味は説明がつかない。
花椒、唐辛子、牛脂、豆板醤という名の四つの支流が俺の体の中に流れ込み一つに合わさり、
長江となって麻辣の炎を燃え上がらせている。
飲む、辛い、だがおいしい。だからまた飲む、辛い、だがおいしいの輪廻(ロンド)。
俺はポテトの小舟に乗ってこの
ふと気が付くと花椒と牛脂の香りを残して麺もスープも消えていた。
峨眉山月、君を思えども見えず・・・。
Friedrich FrühlingによるPixabayからの画像
カップ麺でこのおいしさ。イオン価格198円がむしろ安いと思ってしまう。
実際にお店で出してる料理はこれ以上のクオリティかと思うと震える。
(ググるとお店のお値段にも震える・・・)
※個人の感想です。