ドラクエウォークで温泉めぐりキャンペーンというイベントをやっている。
指定された限定スポットのうち5か所スタンプ押していくと「名湯トラベラー」という限定称号がもらえる。どこのスポットを巡るか悩んだ。なぜなら、致命的なまでに方向音痴だからだ。行ける条件を考えて絞ってくしかない。
・電車で行ける(バスもあまり知らない路線は利用したくない)
・駅から近い(遠いと迷う)
・山の中ではない(山は道を一つ間違えば死が待っているので)
・道がわかりやす(川沿いとか大きな道沿いとか〇、小道をくねくねはヤバい)
・携帯の電波が届くところ(最悪迷ってもタクシー呼べば帰れるようなとこ)
都内から行けて条件満たしてのはバーチー(千葉)かなと思った。
グンタマチバラギと調べたけどバーチーが山中少な目。
バーチーは養老温泉を除いて海沿いにスポットがある。
千葉は海沿いにスポットがたくさんあるという特徴だ。
さらに絞り込みをする。
・館山温泉や房総白浜温泉は駅から遥か彼方から除外。
(房総白浜温泉を調べた時に南側にある「ベアトリスんち(Boshira Castle Shirahama)」が気になるがそれはまた別の機会にしよう)
・養老温泉、山の中だから方向音痴は死ぬから除外。
・犬吠崎潮の湯温泉は駅近だが他の温泉スポットに行くには一旦千葉駅まで戻らないといけないので除外。
・白子温泉は駅から遠いので除外。茂原からのバスも結構時間かかる。
・木更津温泉も駅から激遠だけどシャトルバスが走ってるからそれに乗ってスパに入って一日の疲れを癒して帰る(勇者は腰が瀕死になったため逃げ出した。)
最終的に下記順でスポット巡ることにした。
①なる早で起きる
②なる早で都内から千葉駅に行く
③なる早で安房小湊駅に着く
②なる早で安房鴨川駅に着く
③なる早で千倉駅に着く
④なる早で浜金谷駅に着く
⑤なる早で木更津駅についてシャトルバス乗ってスパして帰る(勇者は腰が(以下略)
⑥千葉駅について帰る
どっかで泊まろうかなと思ったけど、基本満室だし連休で空いてても料金ク〇高い。でも、それっていいことなんじゃないかと思う。
それだけ観光業界が盛り上がっているってことだから。
萎縮ばかりではいけない。みんなできちんとマスク・手洗いうがい、ソーシャルディスタンスなどコロナ対策のルールを守ってGoToトラベルすればよいのだ。
( ´ω`)勇者よ、目覚めるのです。そして名湯トラベラーの称号をゲットするのです。
適当なプランにもかかわらず奇跡的に早起きした勇者が総武快速線から千葉駅に降臨。
しかし、慣れない早起き魔王の呪いのせいで腹を下す。
この時。安房小湊駅に行くJR外房線・安房鴨川行まで1時間強。
勇者、圧倒的時間的余裕に感謝しつつ、賢者のほこら(トイレ)を求めて千葉駅構内を彷徨う。さすが千葉駅城、いたるところにトイレがある。しかも広くて清掃も行き届いている。しかし、ウォシュレットではない、いや、これは贅沢というものであろう。
勇者、魔王の呪いに打ち勝つ!!
その後は外房線ホームの成東行きの出発待ちの電車の中で呪いを解くために消耗して受けたダメージを癒す。
成東行の出発時刻が近くなり、サラリーマンや学生さん達で込み合ってきたのでホームのベンチに移動。朝からガッツリ万葉軒の弁当を食うリーマンを横目に見ていたら目的の安房鴨川行が来たので乗車。
出発とともに勇者爆睡。
どれくらい時間が過ぎたであろうか。
途中、M原駅で若いイケメン学生と不釣り合いに若作りしたオバハンがイチャイチャしながら乗ってきた。これがネットに聞くママ活というものであろうか。K総一宮駅で降りてった。すげーもん見た。
感慨にふけっていると海が見えてきた。
今日は天気がいいので空も海も青く感動した。
海鳥がたくさん浮いてるなと思ったらサーファーだった。
眩しいぜ。
行川(ナメガワ)アイランドという駅に着く。着く前は渋めの駅名に突然天王洲アイル駅みたいな感じの名前がでてくるのでどんなところだろうと思ったがめちゃくちゃ山中の寂しい何もないところだった。
高度成長期にあった巨大なテーマパークの名残りだそうな。寂しいなぁ。
安房小湊駅に到着。小さいけれど小綺麗な 駅。
そして、駅を出て坂を下るとすぐに海!
空は澄んでいて海は青く波は穏やか、風は少し強いけどそれが心地良い。
親子連れが1組先にいて、はしゃぐ子どもたち をお父さんが必死にビデオに撮っている。実に微笑ましい。逆に言うと他に人はいない。
時折ツーリング中のバイカーが俺と同じようにこの海に心奪われて愛車を止めて記念撮影をして再び愛車を駆っていく。かっこいいなぁ。
浜辺をよく見るとゴミがほぼ無い。キレイな砂浜。
あまりの穏やかな安房小湊の海の美しさに感動してしばし茫然とたたずむ。
しかし、私は勇者、いつまでもここで立ち止まっているわけにはいかない。
なぜならオッサンが1人で海を見て長いことじっと動かない様を見て、後ろの方で地元の人らしき夫婦がそのまま海に入水して自殺するんじゃないかみたいな感じで私を見ているからだ。
私にはスタンプを集めるという使命があるからだ。
安房小湊駅をでればすぐそこに巨大な露天の岩風呂があるのでタップするとキャンペーン用のご当地クエストが解放される。さっそく一つ目のスタンプをゲット。
クエストをクリアして貰えるお土産は温泉まんじゅう。おいしいよね。
あと温泉スライムという温泉に入り過ぎて溶け出してしまったスライムも温泉スポット周辺にでてくる。
温泉スライムが出現する範囲が謎だったけど、だいたい温泉スポットのこれくらいまでの範囲ででてくる印象だった。
もうなんか、海がキレイすぎてドラクエウォークどうでもよくなってきて、このままここでのんびり地元の魚使った小料理屋でご飯頼んで写真撮ってUPしてお土産買って帰ろうかと思ったけど、あまりにも早くに来たためかお土産屋さんもごはん食べるところもすべて開店前の準備中であったため次の安房鴨川駅に行くことにした。
海を臨むセブンイレブン天津小湊店のイートインスペースで海を眺めながら軽く小腹を満たして出発。
安房小湊の海に心奪われて気付けばだいぶ時間が過ぎていた。ほぼ1時間に1本に滑り込み勇者は安房鴨川駅に向かった。
安房鴨川駅に到着。ここで時刻表を見て勇者衝撃を受ける。次の千倉駅に向かう電車が
30分後なのだ、それを逃すとさらに1時間待ちぼうけなのだ!!
時間が無い。勇者、速足で温泉スポットへ向かう。
暑い、とても暑い!それにしてもク〇暑い!!夏かよと思うくらいに暑い、めっちゃいい天気。
小路の先に見える海がもう夏の海。
サーフィン?しにきた兄ちゃんチャンネー達満面の笑みではしゃいでる、スタンプ押しに来た勇者その横を必死の形相で汗だらだら流しながら過ぎ去っていく。
温泉スポットは鴨川グランドホテルの向こう側のようだ。
しかしそこは、
森・・・。スタンプ2つめゲット。
そして踵を返して安房鴨川駅へ全力速足Uターン。
ぎりぎり間に合うも汗だくのため、電車内で変な人がきた的な視線にさらされる。しかし、この時点で体力にちょっときている勇者は旅の行く末に一抹の不安を抱えながら次の目的地の千倉駅へ。
南三原駅で乗ってきたスポーツ少年集団のポケモンGO談義に耳を傾けつつ、千倉駅に到着。
のどかである。のどかすぎてタクシーの運ちゃん達がロータリーの真ん中の木陰でイス持ち出して談笑してるくらいのどかである。さてと、行くか。
ここで2ルートあることに気付く。グーグル先生が言う町をまっすぐ突っ切る最短ルートと今気づいた海を左手にして進む少し遠回りルート。
安房小湊駅の海を見た後の俺の心はなんだか海が見たくて海の見えるルートに決定。
駅からラーメン屋を左に曲がってそのまままっすぐ。少し下り坂になっていて前方に海が見えてくる、素敵な坂道だ。ファミリーマートの先を行くと・・・
広大な海が勇者を迎えてくれる。
水平線が果てしなくどこまでも続く。心がスカッと開けて軽くなる思いだ。
車の走る道路とは別に海岸沿いの小路を発見。
いいね、この道を行くとしよう。この道わが道。
千倉の海は次々と高い波が押し寄せてくる。サーファーのお兄ちゃんが果敢に波に繰り出していた。かっこいぃねぇ。
ぽつんと砂浜にビーチチェアを置いてそこに寝そべりながら、海に向かって時々手を大きく振っている人がいる。あれはたぶん歌を大声で歌っているんだろうと思う、声は波音にかき消されて聞こえないけど。いいねぇ、カラオケの個室で歌うのとは違う楽しさがあるんだろうね。海がオーディエンスだなんてかっけぇーな。
海と海を楽しむ人達に心奪われて忘れてた、暑い、ク〇暑い。もう夏だこれ、異常気象、マジで11月とは思えない暑さ。汗がまたしても止まらない。
爽やかな海風が常に俺をクールダウンさせてくれなかったら熱中症で倒れてもおかしくないレベル。日陰は?日陰は?日陰がねぇぇぇ。
あのマンション?の裏手にスポットがあるようだ。もうなんか砂漠のピラミッド的なものに見えてくる。ボスがでてきそう。
実際には裏まで行かず、あの建物の左にあるこの場所で休息。日陰もあるし、座れるし、人もわずかで落ち着いていて良かった。昼寝してる人もいて、のんびり過ごしている。空はどこまでも青く広がっている。潮風が気持ちいい。
温泉スライムもここに湧いてきてくれる。ここで50匹コンプ。
そしてスタンプ3つめゲット。
千倉の海の波の音が耳に心地いい。
普段、コンクリートジャングルの中でパソコンの画面と向き合っていると、海の音や香りや広さを忘れてしまう。
どれくらい時間がたっただろうか。
って、やばい、もう結構時間たってる。
速足で来た海岸の道を戻る。
暑い、暑い、暑い!ア゛ア゛ぁあアア゛ァァ
汗を噴き出しながらオッサンが海岸から駅までの坂道を速足で登る。
まさにその時だった!
ア゛ァ、腰がおかしい。
腰に力が入らない。
片手を壁に突いて体制維持。
あ、歩きすぎたようだ・・・・。
背筋が曲がらないように垂直を意識してゆっくりと歩きだす勇者。
魔物が襲ってきたらひとたまりもない。
普段、運動不足なくせにイキって何をしてるんだ俺・・・。ふと、一瞬現実に戻った後、果てしの無い後悔が勇者を襲う。
千倉駅のロータリーでまだ座って談笑続けてる運ちゃんをしり目になんとか駅構内の椅子に座る。日陰で風も冷たくて気持ちいい。狙っていた電車はとうの昔に発車している。意気消沈する勇者。
さわやかな癒しの海風がどこからか吹いてくる、汗もひき、徐々にHPも回復してくる。静かだ。ぽつんぽつんと2人くらいのホームで待つ人、秋色の山、遠くで鳥の鳴く声、海風の音。あぁ、癒される。
時間的にも体力的にもそろそろ限界だろう、
浜金谷にいったら大人しくそのまま帰ろう。
勇者は悟りを開いた・・・。
JR内房線千葉行きがやって来る。勇者、決戦の地を浜金谷駅に決めて癒えたばかりの重い腰を上げて出陣する。
浜金谷駅。鋸山というロープウェイがある山があるのでカップルや家族連れが多い。
そして鋸山で楽しんで来たであろう人たちが駅で次の各駅の電車が1時間待ちと知って、特急さざなみの切符の買い方を代わるがわる駅員に聞いている。
スポットはガチでなんでもないただの駐車場。おじいさんが不思議な顔して俺を見ていた。はい、ただの瀕死の不審者です。スタンプ4つ目ゲット。
うぅ、夕日が沈む。なんて、なんて美しんだ。
さらば浜金谷。実際はもっと暗かったし昼間と打って変わってめっちゃ寒い。
うぅ、千葉駅、ふらふらだ、疲れた、帰ろう。
歩くんですの歩数20742歩。
帰ったら家でバス浪漫しよう。
☆~次の日~☆
来ちゃったo( * ´Д`* )o
こ~こ~は~東京~♪ど真ん中~の湯~♬(byいい湯だな!全員集合)
勇者は近場で妥協した。
5つ目のスタンプをゲットして念願であった名湯トラベラーの称号を勇者は得た。
しかし、勇者の心は満たされなかった。
勇者にとってもはや称号などどうでもよかった。
勇者は称号や浴衣装備や温泉スライムの置物よりも素晴らしいものをこの旅を通じて発見することができたのであった。
年相応の行動を心がけよう。
大江戸温泉に入場する前に、勇者が向かったところに勇者の心を満たす最後のピースはあった。それはテレコムセンター駅を背に正門を左手にそのまま真っすぐ進んだところにあった。
うぅ~みよぉぉぉぉぉぉ~♪
おぉれぇの~うぅぅぅぅぅみぃぃよぉぉぉぉぉぉ~~~♬
海は心の温泉だ。
© 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
© SUGIYAMA KOBO