今週のお題「外のことがわからない」
近所に飲み屋が新しくできた。小さなお店だがこだわりのある外観でそこいらのチェーン店の居酒屋とはちょっと違う感じの店だ。
当初はゴールデンウィーク前くらいだったかに開店との張り紙がしてあったが、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言で開店は延期となっていた。
なんというタイミングの悪さなのか。
この店が近所のしかも通勤する道の途中にあるので毎日目に入る。
最初は特に意識してなくても、毎日見ていると開店予定日がコロナの状況によってどんどん延期になっていく様を見て、店のオーナーでも無いのにこのまま開店せずに潰れるんじゃないかという気さえしてきて心配になってしまっていた。
6月に入りコロナが落ち着いた様子をみせると緊急事態宣言も解かれたこともあり、ようやくオープンとなった。
もはや自分の店が開店したかのように勝手に嬉しくなってしまっていた(錯覚)。
本来であればここでお店に飛び込んで、とりあえず生と焼き鳥おまかせで!と叫びたいところだが、
緊急事態宣言解除されたけど、コロナに新しく感染する人もまだいる状況から飲み屋に行っていいのかダメなのかわからない。
偉い人達が「緊急事態宣言解除」とか「外出自粛要請解除」と言っても、まだコロナにかかる人は増えているので、建前上は外出てOKだけど本音は察しろよ的な感じが自分の中にある。
外国では今もまだコロナが猛威を奮っているところもあれば、一旦は収まって解除したけどまた蔓延してきそうというところもある。
このタイミングでコロナになってしまったら、
世間様にご迷惑かけることになってしまうし何より
「あ~あ、こいつ浮かれて外出して早速コロナになってやんの(´゚c_,゚` )ぷーっ、クスクスッ。」
とか言われてしまいそうだ。
そして自粛警察などにSNSで身元を晒されてコロナより先に社会的に消されてしまうかもしれない。
本音と建前の狭間で悩み苦しみ悶々としているあいだに店の開店日となってしまった。
仕事の帰りにオープン初日の店の前を通りかかる。
閑古鳥が鳴いていてオーナーや店員が顔面蒼白で悲壮感漂わせて呆然としてないだろうか?その時はせめて自分一人くらいはリスクを承知で注文しよう。そう覚悟して恐る恐る店を見てみると
メッチャ店混んでるぅー☆
3密4密5密メッチャ密密っぅー☆
ワイワイガヤガヤ客の喧騒が溢れ、店員は注文や料理を運ぶのに四方八方飛び回り、隙間もないほど埋まったカウンターの向こう側では料理人が黙々と切れ目なく調理をしてるぅー☆
なんかもう眩しい。煌々と明かりが煌めくってこのことかと思うくらい眩しい。
あまりの眩しさに自分は中に入ることなく(というか満席)、そっと店から離れて家に帰ったのであった。
ちょっと自分が過度に恐れているだけなような気がしてきた。
身近な人に聞いてみるが答えは人それぞれだ。
外のことがわからない。
外出自粛をいつまで続けていいのかわからない。